歯周病とは
35~44歳の人ではおよそ85%、45~54歳では90%の人が歯周病にかかっています。
つまり、ほとんどの大人が程度の差はあっても歯周病にかかっているといっても過言ではありません。
歯周病(歯槽膿漏)は成人の80%が患っており、歯を支える歯肉や骨(歯槽骨)が破壊される病気です。
歯を喪失する原因はむし歯、歯周病、歯の破折が考えられますが、40-50代になると歯周病が原因で歯が喪失することが多くなります。
特に60才代では平均10本の歯が喪失しています。
親知らずを除くと28本の歯が生えていますので1/3が喪失することになります。
それ以降加速度的に歯が喪失していきます。喪失した部位によっては入れ歯になってしまう可能性が高く、若い世代からの予防やケアが必要になります。
歯の周りには、歯を支えるのに必要な色々な組織(歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨)があります。
歯周病はこれらの組織が細菌に感染しておこります。
また、歯の周りだけでなく全身的な要因・病気も原因となります。
例えば糖尿病の患者様にはかなり重度の歯周病患者が多いのですが、糖尿病が悪化すると歯周病も悪化するという関係がみられます。
■ 歯周病の進行図
歯周病菌が毒素を出す
歯肉が腫れて出血しやすくなる
歯肉の間に浅い隙間(ポケット)ができる
歯の根を支える骨(歯槽骨)が溶け歯が動く
歯周病治療
歯周病の治療には、患者さん自身で行うセルフケアと歯科医院が行う、プロフェッショナルケアが必要です。
患者さんと歯科医師・衛生士が連携し、初めて歯周病の治療を行う事が出来ます。
<セルフケア>
歯ブラシだけではとれない汚れも
いっぱいあるので、
併用して綺麗を保ちましょう♪
生活習慣の見直し
歯周病は生活習慣病の一つです
様々な要因が関係している可能性があります
その場合、磨き方だけで治らないかもしれません
<プロフェッショナルケア>
■ 検査
歯周ポケットの深さ
”プローブ”という器具を使って歯ぐきの中の状態を調べます。
歯の動揺度検査
調べたい歯をピンセットにはさんで動かし、そのときの動く状態によって歯周病の進行度を調べます。
出血検査
”プローブ”という器具を使って歯ぐきの出血の有無を調べます。
■ スケーリング
ブラッシング方法や生活習慣改善のアドバイス
超音波による歯石除去
大量についた歯石に振動を 与えて一気に取り除きます
プラークや着色の除去
歯ブラシだけでは落せなかった 汚れを取り除きます。
手作業の器具による細かな部分の仕上げ
深いところや狭い部分についた歯石を ていねいに取り除ききれいにします。
重度の歯周病の場合(固定、外科処置など)
写真の例は、歯周病により歯が動くと、食事がしにくく、
また、回復にも影響があるため、隣同士の歯をつなげて固定しました。